塩干品について

  • 歴史
  • 特徴と製造方法
  • 塩干し品の種類
  • 栄養価
  • 食べ方

歴史

釣りは人間が初めにした活動の一つと言われ、その目的は食料調達でした。そして釣った魚の保存のために人々は工夫を重ねてきました。その歴史と発展は塩干しの歴史と発展とも言えます。保存法の発達により輸送や販売が可能になり、海の近くに住んでいなくても魚が食べられるようになりました。

スペインにおいて魚の塩干しは、おそらく最も歴史のある特産品の一つで、その起源は青銅器時代にまでさかのぼります。この時代、すでに塩の採掘は職業になっていたようです。

塩を使った食料の保存の発見についてはいろいろな説があり、紀元前5000年代とも2000年代とも言われています。その一つはメソポタミア文明期に始まったとされる説で、ある考古学者によると、紀元前2000年代、現在のイラクがある地域で魚と肉の塩漬けが始まったと言われています。また、ここではオリーブオイルでの食料保存法や「シック(Shiqqu)」と呼ばれていた伝説のガルム(魚醤)についても記述があります。

また別の説は古代エジプトまでさかのぼります。古代エジプトではボラの卵を保存するために塩を使っていました。乾燥させ、塩を加え、圧縮していたのです。

一方、フェニキア人が紀元前2500年前に、地中海沿岸地域でこの塩干しを工場で製造し商売をしていたともいわれています。スペインのいくつかの地域の名前からこの由来を知ることができます。たとえばマラガは「魚を乾燥させるところ」という意味だそうです。

人間の食に塩が取り入れられたことは健康に益をもたらしました。ほぼ草食でカリウムの過剰摂取だった食生活をナトリウムが補うことになったからです。そのため昔からパンと塩の組み合わせが行われてきたのです。昔のラテン語のことわざにも「塩と太陽ほど健康に良いものはない」というのがあります。

ローマ人は塩干し品を地中海全域に作った工場で生産しており、そのころローマの統治下にあったスペイン(イベリア半島)南部の多くの町では現在でもたくさんの遺跡が残っています。これらの工場には塩干し用プールもしくはタンク、魚を塩漬けたりする桶がありました。この工程には20日から3ヶ月かかりました。プールは魚の身を塩漬けにしたり、いろいろな魚のソースを作るために使われました。この時代そのソースの中でも最も有名で高額だったのはガルムでした。

ローマ帝国の崩壊後、西ゴート人、アラブ人、ユダヤ人が塩干しを食べる習慣を踏襲しましたが、この産業の継続に貢献したのは四旬節がくると肉食を禁止されるキリスト教だったと思われます。

長い間、スペインは最高の魚の塩干しをつくり続けており、アンダルシア、ムルシア、バレンシアの沿岸部はその主な生産地であり、その品質は世界にも評価されています。

特徴と製造方法

塩干しは紀元前5000年ころから行われていたと言われ、魚など食材の菌の繁殖を防ぎ保存するため水を抜き、塩もしくは塩水を使って作っていました。
その製造工程はだいたい次の通りです。

  • 内臓を取り出し洗う
  • 魚と塩を重ねていく
  • 10日間ほど寝かせる
  • 洗う
  • 乾かす

この過程は天候や使う魚によって異なりますが、現在はからすみやモハマ(魚のジャーキー)は洗ったあと24時間寝かせ、プレス機に入れて水を切り、乾燥機に入れその後真空パックされます。

塩干し品の種類

モハマ(mojama)
魚のジャーキーです。名前の由来は古典アラビア語のmusammaで、「蝋で作られたもの」という意味だそうです。まぐろ、かつお、さばなどで作られます。当社で扱っているのはまぐろです。使用部位はロインとよばれ、脂の少ない貴重なところにあたります。本来は大西洋で漁獲された本マグロが使用されていましたが、現在ではモハマにする品種は主に大西洋で漁獲されたキハダマグロが使われています。加工により小さくなり、赤みが増し、身がしっかりとします。ムルシア地方を代表する食べ物で、バレンシアやアンダルシアの沿岸地域にもあります。
からすみ
魚の卵巣をまるごと塩漬けにしたものです。日本ではボラが一般的ですが、スペインではタラ、マグロのからすみがあります。
かつおの塩干し
魚を切らずにまるごと使います。内臓をとり、開いて頭をつけたままにします。乾燥させ、軽く洗い、塩漬けします。大部分はムルシア地方で消費されます。現在流通されている商品は、頭はカットされフィーレもしくはフィーレを更に半分にした状態で真空パックされています。モハマより乾燥度は低くしっとり柔らかい食感です。
たらの塩干し
たらは塩を使って乾燥させます。数ヶ月間乾燥した場所で保存することができます。(当社では扱っておりません)
桶入りサーディーン
魚丸ごと塩水につけ重しをのせ、その後桶に入れたもの。(当社では扱っておりません)

栄養価

塩干しを作る過程でもとの魚の栄養価と変わります。塩漬けで水分がなくなったことで栄養は凝縮されます。

エネルギー(kcal) プロテイン(g) 脂質(g) 炭水化物(g)
マグロからすみ 426 6.6 10.7 1g以下
ボラからすみ 426 6.6 10.7 1g以下
モハマ 193 47.6 0.2 0.1g以下

食べ方

塩干し品は食欲をそそるため、たいていナッツ類とともに前菜として食べます。アーモンドは薄く切ったからすみやモハマと相性抜群で、現地でもからすみやモハマのお供です。モハマはバージンオリーブオイルをかけてそのまま食べたり、パンにのせたりして食べます。また、トマトとツナを加えてサラダにしてもいいです。からすみは擦ってパスタとあえるとイタリア語でいうボッタルガのパスタになります。
からすみには皮がありますが、たらこの皮と同じように食べても問題はありません。
かつおの塩干しは切ったトマトと組み合わせることが多いです。